【キムタクも見事だが、ササタカの方がもっとスゲエ～って？ササタカって誰？】

最愛の妻・加世（壇れい）を狡猾な上士の島田（坂東三津五郎）に利用された下級武士三村新之丞（木村拓哉）が、武士の面目をかけて剣豪、島田に挑む・・・

おそらく、公開前にこれほど騒がれた「時代劇」は黒澤映画以来の出来事、いや事件であろう―――。

なにせ、不世出の大スターであり、視聴率男と呼ばれる木村拓哉が、始めて挑む主演映画（過去「ハウルの動く城」の声優や、「2046」への出演はあるが、本作では堂々たる主演）なのだから無理もない。
しかも監督は寅さんシリーズでお馴染みの山田洋次。常に庶民の哀感や、人間賛歌を綴り続け、真摯に日本人の心を描いてきた名匠だ。この二人のコラボレーションが話題にならない訳がない！
とにかくこの映画、面白い！面白くって泣けるのだから始末に負えない。

へえ、キムタクの映画ねえ、でもＴＶでお腹いっぱいだよ・・・それも時代劇かあ・・・
なあんて思ってるアナタ！
キムタクに食傷気味の貴女！
この映画に限って食わず嫌いは絶対に損！そう思わせる傑作に仕上がっています。

中でも秀逸なのが丁寧に撮られた素朴な食卓風景。キムタクが食べる漬け物が本当に美味しそう！
漬け物をあれだけ美味しく食べるキムタクって凄い！ビストロスマップの高級グルメだってキムタクの食べる漬け物にゃかなわない！！

で？ササタカって？誰？お答えしましょう、名バイプレイヤーの笹野高史さん。今回キムタクに仕える徳平を演じています。もう～素晴らしいの一言！まさに「脇役の一分」をた～～っぷりと魅せてくれます
text by...  茶柱達蔵

2006/11/29