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とくしま天体ショー

vol.12  「十三夜」 2014年10月6日

vol.12  もう一つのお月見 「十三夜」  2014年10月6日

あすたむらんど徳島職員、田村氏によるコメント&観測報告

もう一つのお月見 「十三夜」

旧暦8月15日の月は「中秋の名月」と呼ばれ、お月見をする風習がある。
ところでみなさんは、お月見は二度行うという話を聞いたことはあるだろうか。

中秋の名月を鑑賞するお月見は奈良時代から平安時代に中国から伝わったものと言われているが、日本には旧暦9月13日の月を見る独自の風習がある。それが「十三夜」のお月見だ。
中秋の名月を見たら十三夜にも月見をしないと「片月見」といって良くないことが起きると昔は言われていたそうだ。

ところで、十三夜の月は上の写真のように少し欠けている。
ほぼ満月の中秋の名月を美しいとするのは理解できるが 欠けた月を鑑賞するのはなぜなのだろうか?
ハッキリした理由はわかっていないようだが、完全なものよりも少し欠けたものを良しとする日本の美学によるものだと言われている。奥が深い。

2014年の十三夜は10月6日であった。折しも台風18号が接近し、前日から天気は大荒れであったが、夜には台風も遠ざかり、台風一過の澄んだ空気の下で十三夜の月を見ることができた。「十三夜に曇り無し」という言葉があるが、確かに夜は晴れた。今回は小型望遠鏡に接眼レンズを付けて、カメラで覗かせて撮影を行った。風が強い上に手持ち撮影だったため、鮮明な像を得ることはできなかった。

ところで、2014年は十三夜が2回見られる特別な年だ。9月13日は年に一度しか巡ってこないが、今年は旧暦9月の後に閏(うるう)9月が挿入されるため、9月13日が2回あるのだ。
なんと171年ぶりとのこと。2回目の十三夜は「後(のち)の十三夜」と呼ばれており、11月5日に見られる。171年ぶりの後の十三夜、ぜひ晴れて欲しいものだ。