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映画監督・蔦哲一朗の素晴らしき映画の世界|

素晴らしき映画の世界|映画監督・蔦哲一朗のここだけの話! Vol.19

Vol.19


映画作成の経過(最終版)を報告します。

月日の流れは早いもので、2024年も3月になり、もうすぐで桜の季節です。4月からは長女が小学生になるので、私も心機一転、新作映画のこともそろそろ考えていかねばと思っている日々ですが、「まいぷれ徳島」も新たなスタートになるとの事で、今回でこの映画コラムは終了となります。長きにわたりご覧くださった皆様と私の拙い文章を掲載してくださった「まいぷれ徳島」さんには心より感謝を申し上げます。

上映会には山崎エマ監督も三好市までお越しくださいました。

上映後の舞台挨拶の様子です。

昨年末は、あの大谷翔平くんも出演したドキュメンタリー映画『甲子園‐フィールドオブドリームス」の山崎エマ監督の新作『小学校~それは小さな社会~』が完成したということで、その先行上映会をなぜか三好市の私の実家から徒歩1分の真鍋屋さんで一週間上映会を開催させていただきました。英題が『The Making of a Japanese』でして、直訳すると「日本人の作り方」というパンチのあるタイトルで、内容としては都内にある小学校を一年間追ったドキュメンタリーになります。甲子園のドキュメンタリーの時と同様に、今回も山崎エマさんならではの海外から見た日本という視点が秀逸で、海外の学校ではやらない給食の配膳や掃除といった我々日本人だと当たり前だと思っている作業をあえて映像として切る取ることで、日本の協調性の良い面を再確認できつつも、その一方で個性を殺しすぎていないかという平等教育の危うさを改めて考えさせてくれます。

日本一のスクリーンサイズと天井の高い空間です。

壮大な音を聞きながら作業ができます。

また、このコラムで長々と報告させていただいておりました『黒の牛』は、年が明けてから、以前台湾でサウンドデザインされたバージョンに日本で効果音や環境音などを加え、かの黒澤明監督も使用していた東宝スタジオのダビングルームにて音の最終的なミックス作業を行いました。この『黒の牛』という映画はセリフが少なく、自然の中での描写が多いため、特に各シーンごとの環境音にはこだわり、人間の感情を代弁するような自然の喜怒哀楽が表現できたと思います。

完成試写会の様子です。

お世話になった方々にお礼を伝えました。

そして、その音とニューヨークのシネリックで色味やコントラストなどをカラコレした映像とをガッチャンコして、ようやく企画から8年の年月をかけた『黒の牛』が完成となりました。今月にはこの出来立てホカホカの映画をこれまで関わってくださったキャストやスタッフの皆様にお披露目する内々の試写会を都内で開催し、お礼を伝えることができました。苦労も絶えず、道のりの長かった映画でしたので、私がさぞ感傷的になっていることと思われそうですが、そこは気持ちの切り替えが早い人間でして、今はこのちょっとクセ強めの映画をどう展開していくのかという不安の方が勝っております。

メインロケ地となった黒沢湿原のオープンセットです。

2024年全国公開予定!のお知らせがあります。

ひとまずはこの映画をなるべく沢山の海外映画祭へ出品し、なんとか箔をつけて、日本での公開に臨みたいと思っております。なるべく今年中には公開できるように準備を進めていきたいと思いますので、皆様、もうしばらくお待ちくださいませ。どうしても待ち切れないという方は、ぜひ徳島県三好市のメインロケ地となった黒沢湿原にお越しください。この映画のために建てたオープンセットを現在も残しておりますので、この立派なセットをご覧いただきながら映画のことを想像してもらえると嬉しいです。その想像を超えるといいますか、想像すらできなかった映画にはなっている自信はありますので、ご期待ください。

雨漏りがするので、バケツを置いています。

室内も見学可能です。

というわけで、これにて私の映画コラムは最終回となります。今まで本当にありがとうございました。私の映画活動はまだまだ続きますので(たぶん)、これからもどうぞご贔屓を賜りますよう、よろしくお願いいたします!

最後はやっぱりこの言葉が一番しっくりきますね。

それでは、さようなら、さようなら、さようなら。